梅雨から夏にかけて、部屋干しの洗濯物が夕方になってもしっとりしている。そんなときに役に立つのがコンプレッサー式の除湿機です。気温が高い時期ほどたくさん水が取れて、電気代もデシカント式より安く済みます。
ただし、コンプレッサー式は重さや運転音に差があり、冬は除湿の量が落ちるという弱点もあります。ここではコンプレッサー式の除湿機を3台にしぼって、洗濯物の量と置き場所で選び分けられるように紹介します。自分でいくつか使ってみたり、口コミや取材をして総合評価で書いています。
コンプレッサー式除湿機とは? 夏の湿気と部屋干しに強いタイプ
コンプレッサー式はエアコンの冷房と同じしくみで除湿する
コンプレッサー式の除湿機は、部屋の空気を本体の中で冷やして、空気にふくまれた水分を水滴にして集めます。エアコンの冷房で室外機から水が出るのと同じしくみです。気温と湿度が高いほど水がたくさん取れるので、梅雨と夏の部屋干しに向いている除湿機です。
ヒーターを使わないので、運転中に部屋の温度がほとんど上がりません。真夏に閉め切った部屋で使っても、デシカント式のように室温が2〜3℃上がって暑くなることはありません。
コンプレッサー式の除湿機はデシカント式より電気代が安い
今回紹介する3台は、どれも消費電力が180〜210Wです。ヒーターで乾燥剤を温めるデシカント式は、400W以上のモデルも珍しくありません。毎日何時間も動かすなら、電気代はコンプレッサー式のほうがおよそ半分で済みます。
コンプレッサー式除湿機は冬の寒い部屋と運転音が苦手
空気を冷やして水を取るしくみなので、室温が低い冬は取れる水の量が減ります。暖房を入れていない脱衣所や北側の部屋では、ほとんど水がたまらないこともあります。
もう一つは音です。中でコンプレッサーが動くので、「ブーン」という低い音と小さな振動が出ます。寝室で使うなら、運転音のdBと弱運転の有無を確認しておくと安心です。
コンプレッサー式除湿機のおすすめの選び方
除湿機の能力は木造の畳数で部屋に合うか確かめる
除湿機の箱やカタログには「木造8畳〜鉄筋16畳」のように2つの数字が並んでいます。木造の家はすき間から湿気が入りやすいので、同じ除湿機でも鉄筋の半分くらいの広さまでしか除湿できません。一戸建てや木造アパートに住んでいるなら、小さいほうの木造の畳数を見て選ぶのがおすすめです。
寝室で使う除湿機は運転音40dB以下が目安
40dBは図書館の中くらいの音です。コンプレッサー式の除湿機は、強運転で40〜50dBのモデルが多くあります。夜も寝室で動かすなら、弱運転で40dBを下回るコンプレッサー式除湿機を選ぶと眠りのじゃまになりにくいです。
タンク容量で除湿機の水捨ての回数が変わる
梅雨どきは、6L前後の除湿機でも半日でタンクが満水になります。タンクが2.5Lと4.5Lでは、水を捨てる回数が倍近く変わります。仕事で日中家にいない人は、タンクが大きいモデルか、ホースをつないで流しっぱなしにできる連続排水に対応したモデルを選ぶと楽です。
コンプレッサー式除湿機のおすすめ3選
【1位】シャープ CV-T71 部屋干し向けのおすすめ除湿機

シャープのCV-T71は、1日に最大7.1L(60Hz)の水を取れるコンプレッサー式の衣類乾燥除湿機です。今回の3台の中でいちばん除湿の量が多く、洗濯物を乾かす力もいちばん高いので、部屋干しが多い家ならCV-T71がいちばんのおすすめです。
うちでは2人分の洗濯物を、夜に浴室の手前の洗面所で干しています。前は朝になっても厚手のパーカーやジーンズのポケットが湿っていて、出かける前にドライヤーを当てていました。CV-T71を洗濯物の真下に置いて衣類乾燥モードで回すようになってからは、朝にはポケットの中まで乾いています。シャープの公表値では、2kgの洗濯物が約167分で乾きます。
部屋干しのにおいが減ったのもよかったところです。プラズマクラスター7000の「衣類消臭」モードは消費電力が18〜21Wしかないので、乾いたあとのタオルに当てておく使い方もしています。乾きにくいバスタオルのにおいが気にならなくなり、洗い直す回数が減りました。
本体は幅30.3cm、奥行20.3cmと細長い形です。洗面所の洗濯機の横のすき間にも置けます。ホースをつなげば連続排水ができ、使い終わったあとに中を乾かす内部乾燥モードもあります。
気になったのはタンクの小ささです。タンクは約2.5Lなので、梅雨の時期に寝る前から朝まで除湿モードで回すと、朝には満水で止まっていることがありました。重さも約9.6kgあり、2階へ持って上がるのは少し大変です。ルーバーで風の向きを上下に変えられますが、左右には振れません。
2人分の部屋干しが朝までに乾く
【2位】コロナ CD-P63A3 7.7kgで運びやすい除湿機

コロナのCD-P63A3は、重さ約7.7kgの小型のコンプレッサー式除湿機です。除湿の量は1日に最大6.3L(60Hz)で、木造なら8畳までに対応しています。今回の3台でいちばん軽く、消費電力もいちばん少ないので、寝室やクローゼットなど場所を変えながら使いたい人におすすめです。
昼は洗面所、夜は寝室というふうに持ち運んで使っています。上の取っ手を片手で持てる重さなので、階段の上り下りも苦になりません。幅は22cmで、ベッドの横や本棚の前に置いても場所を取りません。
運転音は約36〜38dBで、寝室で弱めに動かしても「ブーン」という低い音が小さく聞こえるくらいです。口コミでも、音は「普通」という人と「少し大きい」という人で意見が割れています。音に敏感な人は、寝る1時間前にタイマーで止める使い方にすると気になりません。
本体は日本で作られています。タンクは3.5Lで、満水になると止まってメロディーで教えてくれます。風の向きを上から横まで変えられる「プチルーバー」があるので、洗濯物にも床にも風を当てられます。
気になるのは、洗濯物を乾かす力がCV-T71ほど強くないことです。家族4人分の洗濯物を一度に乾かすなら、1位のシャープのほうが早く乾きます。プラズマクラスターのような消臭の機能もありません。
【3位】山善 EBDC-H45 水捨てが少ない除湿機

山善のEBDC-H45は、4.5Lの大きなタンクが付いたコンプレッサー式除湿機です。除湿の量は1日に最大6.0L(60Hz)で、集合住宅なら14畳まで対応しています。3台の中でいちばんタンクが大きく値段も手ごろなので、水捨ての回数を減らしたい人や、予算をおさえたい人におすすめです。
湿度は40〜70%の間で5%ずつ設定できます。設定した湿度になると運転を弱めるので、クローゼットや押し入れの湿気対策で一日中動かすときも電気代のむだが出にくいです。底にキャスターが付いていて、10.8kgの本体を床の上で転がして動かせます。
切タイマーは1〜8時間で、消し忘れても12時間で自動で止まります。表示を暗くする減光機能やチャイルドロックもあり、寝室や子ども部屋にも置きやすいです。市販のホースをつなげば連続排水もできます。
口コミでは、タンクが大きくて朝まで止まらないという声が多い一方、寝室では音が少し気になるという声もあります。販売ページには、約20℃以下の低い室温では除湿の量が落ちることがあると書かれています。秋の終わりから冬にかけて使う除湿機としては向いていません。
湿度を5%ずつ決めて置きっぱなし
コンプレッサー式除湿機3台のスペックを比べるとこうなる
| 項目 | シャープ CV-T71 | コロナ CD-P63A3 | 山善 EBDC-H45 |
|---|---|---|---|
| 除湿量(50/60Hz) | 6.3L/7.1L | 5.6L/6.3L | 5.0L/6.0L |
| 消費電力(60Hz) | 210W | 180W | 210W |
| タンク | 約2.5L | 3.5L | 4.5L |
| 重さ | 約9.6kg | 約7.7kg | 10.8kg |
| 部屋干しの乾きやすさ | とても速い | ふつう | ふつう |
| 持ち運びやすさ | ふつう | 片手で運べる | キャスターで転がす |
表の「部屋干しの乾きやすさ」と「持ち運びやすさ」は、使ってみた感覚と口コミをもとにしています。洗濯物の量が多いならシャープ、部屋を移動しながら使うならコロナ、水捨ての回数を減らしたいなら山善のコンプレッサー式除湿機を選ぶと合いやすいです。
コンプレッサー式除湿機でよくある質問
コンプレッサー式の除湿機は冬も使える?
使えますが、取れる水の量は夏よりかなり減ります。暖房を入れた部屋で使うなら問題なく除湿できますが、寒い脱衣所や結露した窓の近くでは、デシカント式やハイブリッド式のほうが向いています。冬の結露対策が一番の目的なら、コンプレッサー式以外も候補に入れてください。
コンプレッサー式除湿機の電気代は1時間いくら?
消費電力210Wの除湿機を1時間動かすと、電気料金の目安単価31円/kWhで計算して約6.5円です。180WのCD-P63A3なら約5.6円になります。毎日8時間、30日動かしても、1,500円前後でおさまる計算です。
エアコンの除湿とコンプレッサー式除湿機は何が違う?
エアコンの除湿は部屋全体の湿気を取りますが、エアコンがない洗面所やクローゼットには届きません。除湿機は持ち運べるので、洗濯物の真下やクローゼットの前など、湿気が気になる場所に直接置けます。部屋干しの乾きを早くしたいなら、エアコンより除湿機のほうが洗濯物に風を当てやすいです。
コンプレッサー式除湿機は洗濯物の量と置き場所で選べば迷わない
3台のコンプレッサー式除湿機の選び分けは次のとおりです。
- 部屋干しの洗濯物を早く乾かしたいならシャープ CV-T71
- 寝室やクローゼットへ持ち運んで使うならコロナ CD-P63A3
- 水捨ての回数を減らしたい人や予算をおさえたい人は山善 EBDC-H45
迷ったときは、除湿の量と洗濯物を乾かす力がいちばん高い1位のシャープ CV-T71がいちばんのおすすめです。一人暮らしで場所を変えながら使うなら、2位のコロナ CD-P63A3の軽さが助かります。
家電とガジェットを扱う編集チーム。メーカーの発表会や販売店での取材と、実際に買って使った記録をもとに記事を作っています。「売れている順ではなく、置き場所と使い方で選ぶ」が編集方針。
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